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クレモナでトリエンナーレの展示楽器を拝観

· 楽器,バイオリン,ビオラ,チェロ

 

 

そもそもトリエンナーレとは、正式名称が 「Il Concorso Triennale Internazionale di Liuteria Antonio Stradivari」 クレモナにて3年に一度行われている世界最大規模のヴァイオリン製作コンクールです。トリエンナーレ(Triennale)とは3年に一度という意味もありコンクールが3年周期で行われております。過去には日本人も受賞した方が複数人おります。

 

 

 

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こちらが展示会場となっている博物館( Museo del Violino ) です。

今回の記事はトリエンナーレに着目して取り上げておりますが、博物館の中はアントニオ・ストラディバリなど当館のコレクション楽器も多数展示されており、トリエンナーレコンクールの過去の受賞者の楽器も数多く展示されています。

 

 

今回のコンクールでは、合計376ヵ国から315人の弦楽器製作者が参加し、合計401挺の楽器が審査員に披露されました。私は音を実際に聴くことができなかったのですが、精巧な細工や木材自身の持つ杢目、隆起のつくりなど目につく物全てが綺麗で十人十色な作品ばかりでした!一つずつ取り上げていくと果てしないので一つをピックアップすることにします。

 

 

今回ピックアップするのはこちら!

アレッサンドロ・ペイレッティ Alessandro Peiretti (Italy)のチェロです。

 

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ペイレッティ氏は、父 ダヴィデから弦楽器製作の技術を学び、その後トリノ音楽院「ジュゼッペ・ヴェルディ」に進み、アントニオ・モスカにチェロを師事。また、クレモナのアカデミア・シュタウファー(音楽アカデミー)でロッコ・フィリッピーニアントニオ・メセネスエンリコ・ブロンツィにも師事した。

今回のトリエンナーレで栄えあるゴールドメダルを獲得したチェロになります。

 

個人的な好みでエッジのキリっとした輪郭と綺麗な丸みが共存する見た目が好きでして、ボタンの形も縦に膨らんでいるのも好みでした。楽器全体のバランスと虎目が綺麗で裏板側から撮った写真が個人的にお気に入りだったりします。いつか音を聴けたら嬉しいですね。

 

素晴らしい楽器を見て学ぶことも多く、私も皆様に満足いただけるものを提供できるように日々精進していきたいと思います。

 

修理スタッフ:納原宏基(写真&文)